仲間の理解があるので、大好きな本の仕事と大切な子育てが気持ちよくできています。
本屋さんに行くと、そのときどきで目に留まる本が変わるので、今どんなことに興味を持っているのかが分かります。読みたい本が何もないときは、生き方に迷っているときです。自分自身の精神状態に気づかせてくれるのが本屋さんで、私にとってはとても大切な空間です。だから、人生のうちで1度は本屋さんで働いてみたいという夢をずっと持っていました。
家庭の都合で前職を辞めることになったので、新たな仕事で長年の夢を叶えようと思い、本屋さんの求人情報を探しました。未来屋書店でアルバイトとして働くことにしたのは、最も本を身近に感じていたこととライフワークバランスに配慮してもらえるからです。幼稚園に通っている子どもがいるので、日々の送り迎えや子育てを優先させたシフトで勤務しています。職場の仲間の理解があるので、働きやすい環境でよかったと実感しています。
本に囲まれる嬉しさと新たな本に出会えることが、仕事の楽しさになっています。
本好きが本屋さんで働くことは、楽しいことばかりです。好きな本に囲まれるだけで嬉しいのに、新たな本との出会いが毎日のようにあります。新刊もそうですが、お客さまからの問い合わせや注文で知る新たな本もあるので、接客が楽しさになっています。
あるとき、耳が不自由なお客さまが来店されました。お互いに必要なことを紙に書きながら探している本を突き止めて、取り寄せの注文までを行いました。本が入荷するとお客さまに電話連絡をするのが通常ですが、このときはファックスでお知らせをしました。後日、そのお客さまが来店された際に私は不在だったのですが、応対したスタッフにわざわざ「親切な対応に感謝していますと、Hさんに伝えてください」と書いて渡されたそうです。そのメモを見たときは、役に立ててよかったと嬉しい気持ちになりました。
本が好きなお客さまに出会えて、本を届けることで感謝をしてもらえる。本が大好きな私には、最高の仕事だと思っています。